CEREMONY VILLA SAIEN COURTYARD

本計画はお葬式の新しいスタイルとして浸透してきた家族葬から、さらに進化したスタイルの参列者が密にならない非着席・非滞在型のお葬式を行う葬儀場の計画です。
これまでにない葬儀場となるため、固定概念にとらわれず、ある意味葬儀場らしくない葬儀場を目指しました。
家庭葬室は大きなリビングの延長のような空間に、親族控室は従来の畳の大部屋ではなく、個室を設けプライバシーを保てるホテルのような空間に、会食室はレストランのような空間になるようそれぞれ計画しました。
モルタル調のモノトーンを基本とした仕上としながらも、無機質にならないよう温かみのある色合いや木質系などのナチュラルな要素も織り交ぜ、自然と落ち着きや安らぎも感じられる空間を意識しました。
この建物は当初結婚式場として建てられた建物でしたが、当時は使用されておらず、今回の計画で葬儀場へ改修しています。
結婚式場特有のいわゆるチェペルだった外観を、既設建物の外装やフレームはそのまま、ステンドグラスやアーチ窓をガルバリウム鋼板で塞ぎ、レンガ調の外壁は色を塗り替えるなど、結婚式場だった形跡をいかに無くせるかというところも工夫しています。
時代が刻一刻と変化する中、その状況に対応した計画をしながらも、変わらず、この施設を利用する人々にとって居心地が良く穏やかに故人を偲ぶ空間とあることを願います。

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