福祉施設

生活支援センター雪見橋 グループホーム思案橋等 新築工事

分類 福祉施設
所在地 石川県金沢市幸町
規模 鉄骨造 3階建て
延べ面積 約800㎡

設計主旨
本計画は、『これからの福祉施設』と『まちなかに建つ福祉建築』というふたつの主題を軸に、地域と共に生きる新しい福祉施設のあり方を提案します。従来の閉ざされた福祉施設のイメージを超え、地域に開かれ、誰もが自然に集い、つながることのできる、寛容で多様な居場所づくりを目指しました。

建物の1階には、まちの人々と福祉をつなぐハブとなる『愛育BASE』を設けます。コミュニティキッチンや小上がりの畳スペース、大きなテーブル、窓辺のハイカウンターなど、多様な使い方ができる仕掛けを散りばめ、地域の集会、法人イベント、マルシェなど、日常から特別な日まで柔軟に対応できる空間を構成しています。仕上げにはコンクリート床と木製建具を採用し、土足で気軽に立ち寄れる親しみやすさと、DIYなど創造的な活動にも対応できる力強さを備えました。さらに、大きな開口部を設け、ピロティ駐車場と一体で利用できるなど、まちとの一体感を生む設計としています。

外観は、犀川大通りから見える正面に切妻屋根の『家型』のフォルムを採用。誰にとってもわかりやすく、温かみのある印象を与えることで、グループホームにおける「施設から住まいへ」という意識の転換を促します。また、伝統環境保存地域である立地条件に配慮し、金沢町家の風景になじむ縦格子を設けることで、個室の室外機を隠しながら、ご利用者様のプライバシーにも細やかに配慮しました。

福祉施設でありながら、地域の暮らしの延長線上に自然に存在する。そんな「まちなかの新しい拠点」として、地域の未来を育み、人と人との新たな関係を築く場となることを目指しています。