教育施設

七尾市立田鶴浜小学校

竣工 2027年 3月
分類 教育施設
所在地 石川件七尾市田鶴浜町
規模 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)地上2階
延べ面積 3,260.59㎡

■設計主旨
 配置計画 動線と見守りに配慮した、中庭回廊型の配置計画
本計画は、南面採光を最大限に確保しつつ、中庭を中心とした回廊型の校舎配置とすることで、明るく開放的で交流を生む学習環境を実現しています。中庭や屋外テラスを各諸室と連続させることで、児童が日常的に外部空間を活用でき、のびやかな活動とコミュニケーションを促す構成としています。
アプローチやスクールバスロータリーを見渡せる位置に管理部門を配置し、安全性と見守り機能を強化するとともに、通学時の安心感を確保しています。敷地正面には放課後児童クラブや遊具広場を配置し、学校と地域が自然につながる開かれた環境を形成しています。さらに既存の体育館やグラウンド等との連携を図り、日常利用から非常時の防災拠点機能までを見据えた配置計画としています。

 平面計画 多様な学びと交流を育む柔軟な学習空間
校舎の中心に図書室と中庭を配置し、学習・交流・情報発信の核となる空間を形成しています。図書室は吹抜けと連続させ、児童が気軽に集い、読書や調べ学習に親しめる開放的な場としています。普通教室に隣接するワーキングスペースや多目的教室は一体的に利用でき、少人数学習や発表、体験的な活動など多様な学びに対応する柔軟な空間構成としています。
廊下にはベンチを設け、中庭や吹抜けと連携させることで、移動空間に滞在性と交流性を付加し、児童同士のふれあいを促進する計画としています。外国語教室や特別教室、屋外テラスなども相互に連携し、コミュニケーション能力の育成や主体的な学びを支えています。
また、保健室・相談室・特別支援学級を近接配置し、心身のケアや多様な児童への対応に配慮しています。バリアフリー動線や分かりやすいサイン計画により、誰もが利用しやすい環境を整えています。
内装にも地元産の杉板張りや田鶴浜組子を取り入れ、温かみのある学習環境を形成するとともに、地域文化の継承と愛着の醸成を図っています。

 立面計画 地域文化と調和する、親しみある外観デザイン
外観は、勾配屋根のボリュームを分節した「家並み」のような構成とし、地域に親しまれるやわらかな表情を創出しています。デザインには地元の伝統である組子細工のイメージを取り入れ、木の質感を活かした温かみのある意匠としています。
昇降口やバスロータリー、児童クラブをつなぐ深い庇のアプローチは、雨天時の利便性と安全性を高めるとともに、児童や地域住民が集う半屋外の交流空間として機能します。大きなデッキテラスや開放的な外部空間を設けることで、内外が連続する豊かな環境を創出しています。
また、地元産木材の活用や高断熱化、日射制御、自然エネルギーの利用など環境負荷低減にも配慮し、持続可能で快適な学習環境を実現しています。耐震性の高い構造計画や非構造部材の安全性確保とあわせ、日常から非常時まで安心して利用できる学校建築としています。